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Fig.9 Relation between drying shrinkage ratio and age

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Fig.10 Reduction of concrete weight due to drying shrinkage

3. 6 拡散係数
Fig.11にSC、NS3、F10、F20、F30、BF10、BF30、BF50の水の拡散係数を示す。SCと比較するとNS3で65%、F30で71%、BF30で83%、BF50%で84%減少する結果となった。従って、高性能AE減水剤、高炉スラグ微粉末、フライアッシュの使用は、水の拡散係数の低減に対して有効であった。

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Fig.11 Coefficient of diffusion

4. まとめ
本研究の範囲より得られた結論は以下の通りである。
(1)高性能AE減水剤のみの使用で良好なワーカビリチーの得られる限界単位セメント量は230kg/m3となり通常のAE減水剤を用いた標準コンクリートの単位セメント量290kg/m3から約20%低減させることができた。
(2)単位セメント量230〜290kg/m3の範囲において同一水セメント比の場合、単位セメント量を低減させ骨材量を増加させると圧縮強度が増加する傾向を示した。
(3)単位セメント量230〜290?/m3の範囲において変化した場合、圧縮強度は高性能AE減水剤の主成分と添加率の違いにより大きく異なり、単位セメント量230kg/m3、水セメント比50〜60%の領域では、ナフタレン系高性能AE減水剤が作業性並びに強度増加が良好であった。
(4)高性能AE減水剤との併用によりセメントの一部を高炉スラグ微粉末またはフライアッシュで置換し単位セメント量を減少させた場合、圧縮強度は同一置換率の場合、高炉スラグ微粉末の方がフライアッシュよりも大きくなる傾向を示し、通常のAE減水剤を用いた標準コンクリートの単位セメント290kg/mの50%まで置換して減少させても同程度のワーカビリチーと圧縮強度を確保できた。
(5)乾燥収縮率は、高炉スラグ微粉末を混和した場合よりもフライアッシュを混和した場合の方が小さくなり材令56日において標準コンクリートと比較して、高炉スラグ微粉末は同程度であったがフライアッシュは約20%の減少となった。
(6)高性能AE減水剤、高炉スラグ微粉末、フライアッシュの使用により単位水量を減少させ拡散係数を小さくすることができた。
従って、最近の高強度コンクリートのように単位セメント量が多くなってきている趨勢の中で、高性能AE減水剤と高炉スラグ微粉末ならびにフライアッシュを有効に用いることで、従来の一般構造用コンクリートの単位セメント量の50%でも密実で良質なコンクリートの製造が可能であることが本研究から明らかとなった。
参考文献
1)土木学会:コンクリートドライブラリー第74号高性能AE減水剤を用いたコンクリートの施工指針(案)付:流動化コンクリート施工指針(改訂版)pp.15,1993
2)国府勝郎:高炉スラグ微粉末,コンクリート工学,Vol.26, No.4, pp.25〜31, 1988
3)米倉亜州夫・田中敏嗣・寺本尚夫:高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの乾燥収縮とクリープセメント技術年報 40pp.383〜386, 1986

 

 

 

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